保育士からベビーシッターに転職するメリット・デメリットも知りたい。
たしかに、保育士からベビーシッターに転職したらどんな働き方になるのかや、転職するメリット・デメリット走りたいですよね。
そこでこの記事では、現役の保育士・ベビーシッターの筆者が、保育士からベビーシッターに転職するメリット・デメリットを紹介します。
また、筆者がベビーシッターとして働く中で体験する良いことと悪いことも紹介します。
この記事を読めば、ベビーシッターがどんな働き方をするのかがわかり、転職するメリット・デメリットを踏まえて後悔のない選択ができるようになります。
保育士からベビーシッターへの転職を考えているあなたはぜひ、読んでみてください。
保育士がベビーシッターに転職するメリット
それでは早速、保育士がベビーシッターに転職するメリットを説明します。
保育士がベビーシッターに転職する主なメリットは、次の3つです。
- 個別保育ができる
- 面倒な人間関係がない
- 書類や雑務などがない
それでは、保育士がベビーシッターに転職するメリットを1つずつ説明します。
メリット①:個別保育ができる
ベビーシッターは基本的に1対1の個別保育ですので、保育士と違って子供の意向にあった保育しやすいです。
保育園では集団保育が基本なので、保育士が一人ひとりに丁寧に接するには限界があります。
なかには、子どもが「今日は散歩に行かない、お部屋で遊ぶ」と主張しても、保育士が「今日は散歩に行く日だし、お友達も皆行くから一緒に行くよ」と子どもの意向とは全く違う保育を行うことも珍しくありません。
ベビーシッターは子ども一人ひとりの意向にあった保育ができるのが特徴です。
メリット②:面倒な人間関係がない
ベビーシッターは、シッティングする子どもと保護者とだけ接点を持つケースが大半なので、面倒な人間関係に巻き込まれにくいです。
保育園では同じクラスの担任保育士や、他のクラスの保育士、園長、パートさん、実習生、全ての園児の保護者と関りを持たなくてはなりません。
大型の保育園では関わる人数も膨大になり、性格が合わない人も出てきます。
会人なら合わない人ともうまくやっていくスキルは求められますが、実際は心を病んでしまう人が多いのが現状です。
このように、面倒な人間関係に悩まされづらい点はベビーシッターの魅力といえます。
メリット③:書類や雑務などがない
ベビーシッターは保育士に比べて、書類を書いたり雑務が不要であることもメリットです。
保育園は自治体の設置基準に沿って運営されているので、年間保育計画、月案、週案、行事計画書、消防計画など様々な書類が存在します。
保育士は子どもの世話の合間をぬってこれらの書類に対応しています。
また、園内の掃除や安全性の確保も求められる仕事の1つです。
子どもと関わることが好きで保育士になったのに、気づけば書類や雑務に追われていることも珍しくありません。
ベビーシッターは月案などの書類を用意する必要はなく、掃除や行事の準備などの付帯業務もないので、子どもと密に関わる時間を持てます。
次に、保育士がベビーシッターに転職するデメリットを紹介します。
保育士がベビーシッターに転職するデメリット
保育士がベビーシッターに転職する主なデメリットは次の4つです。
- 収入が不安定なこと
- 福祉ではなくサービス業であること
- 孤独で相談相手がいないこと
- 依頼に柔軟に対応する必要があること
それでは、保育士がベビーシッターに転職するデメリットを1つずつ説明します。
デメリット①:収入が不安定なこと
ベビーシッターの仕事は正社員での募集が少ないので、収入は安定しづらいです。
ベビーシッターとして働こうと思うと正社員募集が少ないので、必然的に派遣や、個人事業主の形で働くことになります。
会社員ではないので毎月決まったお給料が入るわけではなく、自分の働き次第で月給が変動します。
収入の不安定さに不安を抱え、「やはり会社員に戻りたい」と思うシッターもいます。
デメリット②:福祉ではなくサービス業であること
保育園は児童福祉法に基づく児童福祉施設なので、「福祉」の側面が強いです。
一方で、ベビーシッターは「接客サービス業」という側面が強いです。
シッターを依頼する保護者は当然働いている必要はなく、保護者の都合で依頼できます。
保育園のように教育したり、しつけをしたりすることを求めず、ただ見守っていてほしいという保護者もいます。
ベビーシッターは保育園とのギャップが案外大きいので、ギャップを受け入れられるかもポイントです。
デメリット③:孤独で相談相手がいないこと
ベビーシッターは個別で訪問して保育をするので、孤独で相談相手ができないケースがあります。
また、多くのベビーシッターは個人事業主として活動しており、他のベビーシッターは同僚でありながらもライバルです。
ベビーシッターでは保育の中で困ったことがあってもすぐに相談できる環境ではなので、自分で問題を解決する必要があります。
相談相手がいない時の対応策としては、ベビーシッターのコミュニティに参加することで悩みや困ったケースを解決できることがあります。
デメリット④:依頼に柔軟に対応する必要があること
前述のとおりベビーシッターはサービス業の側面が強いため、依頼人のリクエストに柔軟に対応するスキルと余裕が求められます。
例えば、「18時までの依頼だったが、21時まで延長したい」と当日依頼されたり、朝起きると「2時間後に保育を依頼したい」と連絡が入ったりするケースはよくあります。
もちろん、自分のできる範囲で無理せず対応することが大切ですが、対応可能範囲を狭めすぎることは危険です。
対応可能範囲が狭いと、依頼者は「不測の事態に対応できるシッターではない」と依頼しづらくなり、お仕事の数が減ってしまいます。
まずは自分が確実に対応できる範囲を決め、どの程度まで柔軟に対応するべきかを考える必要があります。
次に、保育士からベビーシッターへ転職する方法を紹介します。
保育士からベビーシッターに転職する方法
保育士からベビーシッターに転職する方法は、次の4つです。
- ベビーシッター会社の正社員になる
- ベビーシッター派遣会社に登録する
- マッチング型プラットフォームを利用する
- 認可型居宅訪問保育で働く
それでは、保育士からベビーシッターに転職する方法を1つずつ紹介します。
方法①:ベビーシッター会社の正社員になる
保育士からベビーシッターに転職する方法の1つ目が、ベビーシッター会社の正社員になる方法です。
正社員のベビーシッターを雇用している会社は多くはないですが存在します。
社員になると毎月決まったお給料が保障されているので、安定感を持って仕事をしたいあなたにはおすすめです。
正社員ベビーシッターを募集している会社:認定NPO法人フローレンス
現在フローレンスでは、病児保育専門のベビーシッターか、障害児専門のベビーシッターを採用しています。
方法②:ベビーシッター派遣会社に登録する
保育士からベビーシッターに転職する方法の2つ目が、ベビーシッター派遣会社に登録することです。
派遣会社のスタッフが保護者とシッターの間に入って調整をしてくれるので、シッターは保護者とのやりとりが不要です。
シッターは会社から依頼者の情報を得て保育をします。
支払いや報告などの事後処理も会社が担ってくれます。
ベビーシッター派遣会社①:ハニークローバー
派遣会社としては歴史はまだ浅いですが、研修制度や保育のオプションなども充実していて安心感があります。
ベビーシッター派遣会社②:ベアーズ
ベアーズは家事代行でも有名な会社です。
ベビーシッターサービスの中でも大手のベビーシッター会社なので、一定の依頼数も見込めるでしょう。
方法③:マッチング型プラットフォームを利用する
保育士からベビーシッターに転職する方法の3つ目が、マッチング型プロットフォームを利用することです。
現在日本で活動しているベビーシッターの多くは、マッチング型のプラットフォームを利用してお客様を獲得しています。
保護者とシッター双方がマッチング会社に利用手数料を支払い、お互い合意の上で保育をします。
シッターは個人事業主となるので、頑張った分だけ収入が増える一方、依頼が入らないと無収入にもなるという不安定さがあります。
マッチング型プラットフォーム①:キッズライン
キッズラインはマッチング型プラットフォームの中で一番有名な会社です。
シッターは最低1000円から時給を自由に設定できます。
また、シッターと同時に家事代行を請け負えます。
マッチング型プラットフォーム②:キズナシッター
キズナシッターはサービス開始してから約2年と歴史は浅いです。
ただ、保育士や看護師、幼稚園教諭のいずれかの資格を持った人のみだけがベビーシッターになれる女権が敷かれており、あなたが資格を持っている場合は時給高く働ける可能性があります。
シッターは最低1600円から自由に時給を設定できるのが特徴です。
マッチング型プラットフォーム③:ポピンズシッター
業界大手のポピンズグループが運営しているベビーシッターサービスで、安心感は抜群です。
給与が最短当日払いにできる点も、ありがたい制度と言えます。
方法④:認可型居宅訪問保育で働く
保育士からベビーシッターに転職する方法の4つ目が、認可型居宅訪問保育で働くことです。
保育園と同じ質の保育を自宅で提供するのが認可型居宅訪問保育です。
東京都では待機児童解消のために、いくつかの自治体で採用されています。
0〜2歳までの子どもがおり、自治体の保育を必要とする要件に当てはまり認められたご家庭へシッティングに行きます。
認可保育園と同じ位置づけなので、ベビーシッターは保育士資格を持ち指導計画を立て、保育所保育指針に基づいて保育をする必要があります。
最後に、保育士・ベビーシッターとして働く筆者の体験談を紹介します。
保育士・ベビーシッターとして働く筆者の体験談
筆者は現在マッチング型プラットフォームを利用してベビーシッターとして活動しています。
ベビーシッターとして働く中で、良いと思ったこと・嫌だと思ったことを紹介します。
良いこと①:働く時間を自由に設定できる
マッチング型はシッター個人の裁量に任されているので、仕事をする時間は自分で決められます。
保育園にいるときは早番や遅番があり、毎日起きる時間もバラバラでプライベートの予定も立てづらかったです。
しかし今は、プライベートの予定を優先させながら仕事を入れられており、充実した毎日を送れています。
良いこと②:自分のしたい保育ができる
保育園では園の方針を第一に、一緒に組む担任保育士との意見をすり合わせる必要がありました。
しかしベビーシッターは私一人で保育するので、私の保育観に合わせて保育ができます。
もちろん家庭の養育方針が最優先ですが、私の保育感も取り入れながら保育ができるのでやりがいを感じます。
嫌なこと①:苦手な保護者もいる
シッターも保護者も人間なので、ときには「相性が合わないな」と感じることもあります。
しかし、依頼されてお仕事を請け負った後はご家庭に行かないといけないので、辛抱する必要があります。
相性が合う保護者と仕事ができるよう、事前に保護者のプロフィールを念入りに確認し、チャットのやり取りで相性を判断しましょう。
嫌なこと②:トイレに気を遣う
私だけが預かっている子どもを見ている状態なので、トイレに行く回数は出来る限り少なくなるように配慮しています。
小さな子どもから目を離す時間はなるべく短い方がいいですからね。
保育園ではたくさんの職員がいるのでトイレに行ったり、休憩に行ったりすることが問題なくできますが、ベビーシッターだとトイレに行く際は気を遣います。
まとめ:保育士からベビーシッターに転職をするメリット・デメリットを知り適切な選択を
この記事では、現役の保育士・ベビーシッターの筆者が、保育士からベビーシッターに転職するメリット・デメリットを紹介しました。
また、筆者がベビーシッターとして働く中で体験する良いことと悪いことも説明しました。
最後に今回の内容をまとめておきます。
- 保育士からベビーシッターに転職することはメリットも多いが、デメリットもある。
デメリット部分をどの程度許容できるのか見極めることがたいせつ - 転職する方法は、正社員になる、派遣型サービスに登録する、マッチング型サービスに登録する、認可型居宅訪問保育で働く方法がある
人間関係や園の方針などで悩み、いっそベビーシッターに転職しようかなと考えている人も多いでしょう。私もそうでした。
もちろんベビーシッターのお仕事は社会から必要とされていますし、とても楽しい仕事なのでおすすめです。
しかし、転職を本格的に考える前に、自分がどういう保育をしたいのか、その保育をベビーシッターで実現できるのかを考えることが大切です。
この記事が今後ベビーシッターへの転職を考えているあなたのヒントになればと思います。
ベビーシッターすみれの森には他にも、子育ての不安やベビーシッターに関するお役立ち情報がたくさんあります。
ぜひ読んでみてくださいね。